AppleのiPhoneは大ヒットし、スマートフォン市場の定義を変え、1年もたたないうちに5万種を超えるサードパーティーアプリを引きつけた新たな携帯コンピューティングプラットフォームを作り出した。姉妹版のiPod touchと合わせると、Appleが携帯電話事業に参入した2007年6月以来、4000万台以上売れている。
だが、その成功をまねようとする従来のスマートフォンメーカーとの競争は激しくなってきている。最も大きなライバルはPalmの新端末「Pre」だ。Preは6月6日に発売され、これまでの販売台数は推定およそ10万台と好スタートを切っている。
だから、Appleはサメのように動き続けなければならない。同社は今週、新世代携帯コンピュータのリーダーとしての地位を強固にし、拡大するために2つの新製品を投入する。わたしはその両方をテストしてみた。幾つか気をつけるべき点もあるが、大いに気に入った。
新製品の1つは、iPhoneそのものの新モデル「iPhone 3G S」だ。見た目は旧モデルと同じだが、スピード、ストレージ、バッテリー駆動時間が強化されており、動画撮影やカメラの画質向上など幾つか新機能がある。
もう1つの新製品はOS 3.0、iPhone OSの3番目のバージョンだ。このOSはiPhone 3G Sに搭載されるほか、従来のiPhoneやiPod touchにインストールすることもできる。非常に多くの機能が加えられており、中には革新的なものもあれば、ようやくほかの携帯電話に追いついたものもある。新機能には、要望の多かったカット、コピー、ペースト、システム全体の検索、横長バーチャルキーボード、写真や動画を電子メールを使わずに直接ほかの携帯電話に送れるMMSなどがある。
Appleは先週、これら新製品を補完するために大胆な動きに出た。現行モデルのiPhone 3Gを半額の99ドルに値下げして販売を継続することにした。これだけのパワーと機能を持った小型コンピュータの値段としては前代未聞だ。数百万人の消費者に、他社の携帯電話ではなくiPhoneを選ぶ理由を与えることにもなる。
わたしのテストでは、iPhone 3G SもOS 3.0も、少数の例外を除いてはスムーズに機能した。この2つはiPhoneプラットフォームを強化し、今後も多数のアプリを引きつけるだろうし、消費者向けにはよい製品だと確信している。
だが、今回の変化は、革命的というよりは進化的なものだと思う。最新iPhoneは平均的なユーザーにとって、初代iPhoneユーザーにとってのiPhone 3Gほどには魅力的なアップグレードではないと思う。
現行版iPhoneのユーザーは、199ドル以上出してiPhone 3G Sを買わなくても、今のiPhoneのOSを無料で(iPod touchの場合は10ドルかかる)アップグレードするだけで機能が改善される。多くのユーザーには、99ドルのiPhone 3Gを購入するという選択肢もある。その方が安いし、その上OS 3.0を入れれば機能が大幅に向上する。
一方、パワーユーザーは性能、バッテリー駆動時間、ストレージなどが強化された新モデルを欲しがるだろう。中には、新モデルは現行版と違って、新しい携帯電話ネットワークに対応するから欲しいという人もいるだろう。この新しいネットワークは、数年以内にデータ転送速度が今の倍になるという。
iPhone OS 3.0は6月17日にダウンロード配信が開始された。iPhone 3G Sは6月19日に発売される。16Gバイトモデルは199ドルで、32Gバイトモデルは299ドル。昨年発売されたiPhone 3Gと同じ価格で、ストレージ容量は倍になっている。さらに、競合するほとんどのスマートフォンの内蔵ストレージを大幅に上回っている。
この価格はAT&Tの新規加入者と、「標準」アップグレード資格を持つ同社の現行の加入者が対象だ。旧機種を持っている人の場合、AT&Tの2年契約に加入してからの経過期間や毎月支払っている料金によって、アップグレードに200ドル余計にかかる可能性がある。だがAT&Tは最近批判を受けて、アップグレード資格のあるiPhone 3Gユーザーに9月30日まで新規加入者と同じ価格でiPhone 3G Sを販売することにした。同社は当初、これら加入者に200ドル余計に払わなくてはいけないと伝えていた。
新機能やテスト結果を詳しく話す前に、新型iPhoneと新OSにないものを説明しておく。iPhone 3G Sにはまだ物理的なキーボードがない。Preとは違って、まだ1度に1つのアプリしか実行できない。Webブラウザは、AdobeのFlashにまだ対応していない点を除けば素晴らしい。それに米国ではまだAT&T以外のキャリアで利用できない。
それにAT&TがMMSに対応するのは今年の夏以降だ。ほかの国のiPhone対応キャリア十数社はすぐにサポートするというのに。それにAT&Tはテザリングの対応時期を明らかにしていない。テザリングとは、iPhoneをノートPCのモデムにする機能で、ほかの国のキャリアはすぐにこの機能に対応する予定だ。
ここからはiPhoneの新しいハードとソフトの特に重要な機能、そのテスト結果を簡単に報告する。
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